モグラの被害を一番受けやすいのは苗植えのときです。
理由は苗土の周りについている有機物の多い土にミミズや地中にいる虫たちが集まり、それをモグラが食べにやってくるからです。
せっかく植えた苗木が育たない・・・
それはモグラの仕業かもしれませんが、モグラの行動を考えると対策も見えてきますよ!

モグラの仕業で苗木が枯れる理由
モグラの仕業で苗木が枯れるのは根の乾燥害が引き起こされるからです。
モグラのエサとなるミミズや幼虫類は腐葉土などの有機質の豊富なところに集まる習性があります。
定植する苗ポットは、根部を取り巻く鉢土に腐葉土やピートモスなどの有機物を多く含んでいるため、畑に苗を植えると畑の中に散らばっていたミミズやコガネムシの幼虫が定植後のこの土に集まってくるのです。
ということはモグラはこの定植苗の真下を集中的に掘れば簡単にエサにありつけるのです。
モグラは大食漢であることが知られており、体重の半分の重量のエサを毎日食べます。

つまり活動している間はずっとエサを探して地中を動き回っているのでモグラとしては効率的にエサを食べられる定植苗の下は最高の環境になるということです。
定植苗はモグラにトンネルを掘られた事により土に根を張ることができません。
それどころか根がトンネル内に露出することで乾燥して苗が成長できなります。
このような仕組みでモグラは根の乾燥害を引き起こすのです。
モグラ対策を施した苗木の植え方
モグラ被害を受けにくい苗木の植え方を紹介します。
果樹を植える場合は家庭菜園の野菜の苗を植えるように土をふんわりを植える方が多いですがこれはいけません。
樹木は土と根がしっかりと密着していないと根を張らないので苗木を植える時は土を踏み固める必要があります。
苗を植える時は、苗木の直根の長さを測って真っ直ぐ埋まる穴を掘ります。
苗木が中央に来るように立てて少し土を戻したら土をつくようにして固めます。
さらに土を盛り、最後は土と根の間ができないようにしっかりと足の踵で踏み固めてください。
この時に埋め戻す土に有機物を入れるのはご法度です!!
こうすると水が植え穴に浸透するのに時間がかかるので植えた苗木を囲むようにドーナツ状に盛り土を築いて水が横に逃げるのを防ぎます。
通称ドーナツ植えをします。

持った土の上には刈り取った草や藁を敷きます。
これによって畑にいたミミズや幼虫たちは藁の下に向かい、モグラも盛り土に向かうため苗木の近くにモグラのトンネルを掘られることがなく、根の乾燥害を防ぐことができます。
くれぐれも苗木の近くまで草や藁で覆ってしまわないように注意してください。
苗木を植えた土まで藁で覆ってしまったらミミズがモグラを呼んでしまいますからね!
その作物被害、本当にモグラでしょうか?
モグラは100%肉食なので農作物を食べることは決してありません。
モグラが引き起こす作物被害のほとんどが間接被害とよばれ、モグラの穴を住処にした他の動物が原因の場合がほとんどです。
特に多いのはネズミでモグラが掘った穴で営巣して子育てまでする場合があります。
もう作物をかじられていて、近くに穴があった場合はネズミの仕業を疑うべきでしょう。
まとめ
定植したての苗木の時期はモグラ被害に非常にあいやすいです。
苗木を植えても植えてもうまく育たないのはモグラの仕業かもしれません。
しかしモグラが苗木の下に寄ってくる理由を理解すると対策もそれほど難しくないとわかったと思います。
モグラの行動を予測して対策を取れば苗木の根の乾燥害は防ぐことができますよ!
